アイディアコンクールに落ちてしまったので、その提案内容を公開します

アマチュア無線の魅力向上アイディアコンクールという催しがあった(ある)のをご存じでしょうか。
「若い人達に魅力あるアマチュア無線とするための取り組みが必要であり、
そのアイディアを広く募るという目的のコンクール」です。

募集期間は2024年7月19日(金)まで
結果通知は8月9日、入選作はハムフェアで発表 との内容でしたが、
4案応募したすべてについての、つまり4案を明記しての落選通知が8月15日に電子メールで届きました。
(8月12日にも2通到着したが、どの提案に対してかがわからない通知だった。)

コンテスト主催者が意図した方向とは違ったのでしょう。
落選はしょうがないのですが、このまま消えさせるのも残念です。
そこで、入選作がハムフェアで発表されるその前に、落選した4案すべてをここに公開します(笑)。

                              2024.8.17

アマチュア無線の入門書、もしくはWEBページの作成


まあ、簡単に言ってしまえば、アマチュア無線の入り口についての情報が少ない、
試験の問題集はあるけど、「みんなで頑張ろう」的なものが無いから作りませんか?
という話です。

季刊ぐらいの発行頻度(更新頻度)で、いつか読者が離れていく(卒業する)ことを想定します。
試験の申請書は必ず付属。
今、これに近い雑誌はあることはあるのですが、試験ではなく電子工作記事中心で
しかもその工作記事には入門用とは言い難いものが多くを占めていることから、
もっと徹底したもの(またはWEBページ)が必要かなと感じ、提案しました。

実際の提案書はこんな内容


27MHz帯のライセンスフリーラジオで自作を推進。


昔、最初に自作するものと言ったら、AMラジオかワイヤレスマイクでした。
しかし、AM放送は先細りであり、
今の微弱電波規定ではまともな(遊べる)ワイヤレスマイクは作れません。
アマチュア無線への第一歩!電子工作の危機です。

そこで、27MHz帯のISMバンドを利用したライセンスフリーラジオを推進することで
無線の楽しさ、そして自作・改造の面白さを知ってもらおうというのが
この提案の趣旨です。
この周波数帯は電波形式と電界強度しか規定されていないので、自作、改造機が使えるんです。

でも制約はあります。制約の多い27MHz帯に飽きたらアマチュア無線へどーぞ!
ここは自分で作った無線機で遊べる素晴らしい世界ですよ!!という意図でした。

500m、200μV/mという電界強度規定では自作がしにくいから、
フルネルゾーンを考慮した現実的な出力を規定しよう というのも提案に含まれています。

27MHz帯というのが嫌がられたのかなぁ。とも思いますが、
他に使える周波数は無いでしょう。

今、中国製の無線機器が大量に、多品種出回っています。
できあいのもので使って遊ぶ人ばかりになってしまうと、いつか、特小モジュールすら
作れなくなってしまうのではないかと危惧しているところです。

実際の提案書はこんな内容


電信初心者を意識した、QRS周波数の制定 


第3級アマチュア無線技士の電信の試験が簡単になりました。
簡単なのは良いのですが、これと実際の通信との差が大きすぎるように思います。

だったら、堂々とスロースピードのCWを楽しめる周波数を作れば練習できる!
というのがこの提案の趣旨です。
ストレートキーが好きなOMさんもこういう周波数があれば安心して楽しめます。

今現在考えられる周波数として、21.055〜21.065MHzを推奨したのですが、
令和4年ごろにバンドプランから静かに消えたCWの独占運用可能周波数
21.125〜21.15MHzに言及したのがまずかったかなぁと思う次第です。

実は私が初心者の頃に、いろんな困ったOMさんに出会いました。
CQはゆっくりなのに応答すると急に早くなるなんていうのはまだマシ、
いきなり和文で打ってくるなんて方もいました。
こういうことが無い、失敗が許される周波数があれば!と今でも思う次第です。

今だからバラしますが、開局後しばらくは、私のログにブラックリストがありました。近寄らない方が無難な局のリストです。
この経験から、昔、アマチュア無線用語解説(ジョークWEBページ)を作った時には、OM:新人に対する最初の障壁 という解説にしています



実際の提案書はこんな内容


自作機器で運用することへのハードルを下げるための制度変更提言。


これ、法規も絡むので、ちょっとややこしい提案です。

概略だけを言ってしまうと、昔のミズホ通信のQP-7(7MHz、1WのCW送信機、3000円)のような、
シンプルかつ実用になる送信機キットが、
近年簡単に免許(保証認定)されなくなっていることを危惧した提案です。

昔はブロック図だけで免許されたのですが・・・・・。

キット販売者によるフィルタの設計説明などで、QRP機器(1W以下)に於けるスペアナでのスプリアス確認を
不要にしてほしいということ(スペアナ不要が大切!)
VHF機器が1Wを超えると急にスプリアス規定が厳しくなる部分を修正すること
この二つが骨子となています。

SDRを応用した安価なスペアナもありますが、多くのもののダイナミックレンジは60dB、
これでスプリアスが60dB以下であることを証明するのは難しいんですね。

アメリカ合衆国、EUのスプリアス(イミニティ)に関する規定では、
販売を目的としないアマチュア無線機について緩和処置がとられていることも提案には明記しました。

実際の提案書はこんな内容



最後に

実は、私が出した提案の内、3つには同じ特徴があります。それは、継続的な活動を必要としない事です。
実は他にも考えたんです。
登山する人をサポートする組織の結成とか、夏休みの自由研究を手伝う講師派遣(学校にDMを送って依頼を待つ)とか、
一般人向けフォックスハンティングとか、アマチュア局の地域防災拠点化とか、日本版MARSとか・・・・

でも、実際に活動する人が居ないと無理なものは私は提案から外しました。

アマチュア無線界は高齢化が進んでいますから、実際に永続的な活動を期待するのも難しいかなと思われ、
あらかじめ障害を取り除いておく形が有効だろうと考えたわけです。
QRS-CWのためのバンドプランの変更などは費用も掛かりませんから、コンクールとは関係なく、
いつか実施してくれないかなぁと思っている次第です。

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