提案書書式

  

 

 
2024年 715

「アマチュア無線の魅力向上アイディア」提案書

 

 

1.  提案カテゴリー(AまたはBを選択)

B 若者にアマチュア無線の資格取得を動機づけるアイディア

 

2.  アイディア名:

  27MHz帯のライセンスフリーラジオで自作を推進。

アイディアの概要(200字以内):

郵政省告示第七百八号に規定する27MHz帯の微弱電波の規定を活用し、一定範囲内で自由に電波の発射ができることを周知することで、自作・工作のできるライセンスフリーラジオを体験してもらう。ここで無線工作の楽しさを知れば、最終的にアマチュア無線への参加が期待できる。



3.  詳細説明(図表を含めて4頁以内):

 郵政省告示第七百八号の『電波法施行規則第六条第一項第二号の規定による免許を要しない無線局の用途並びに電波の型式及び周波数(昭和三十二年八月三日、最終改正 平成二十年八月二十九日)』によると、26.9578MHz27.28272MHzの間であれば、500m200μV/mの強度の電波を微弱電波として発射することが可能となっています。この告示ではラジコン、ラジオマイクが指定されていますが、単方向であることの規定はありませんので、この周波数帯で断続的に送信することで相互通話、すなわち通信をすることが可能であると考えられます。

 定めがあるのは周波数、電界強度、電波形式の3点です。微弱電波なので無線従事者は不要、改造機やキット、更には自作機を使用することも可能です。

 とはいえこの電界強度を測定することは困難で、現規定のままでは非常に使いずらいものになります。これを一般的な電界強度の式で算出すると、GP(利得×出力)=0.2mW となり、1/2波長ダイポールを用いた場合に許容送信機出力は約0.1mWとなってしまうためです。しかしこの計算は自由空間のもの、すなわち取りうるすべての場合の最大値であり、フルネルゾーン、並びに電波伝搬上のブレークポイントを考慮した場合、現実の大地上で0.1mW出力で500m離れたところで得られる電界強度は200μV/mよりはるかに低くなります。

 そこでライセンスフリーラジオとして実用性を持つ、具体的な数値を示したうえで、この周波数帯を無線通信遊びの最初の一歩とすることはできないか?これが本提案の具体的な形です。ちなみに参考URLによると、二波モデルで、送受信点が共に2mの高さ、送受信アンテナ利得がいずれも2.14dB(絶対値)のとき、500m離れた地点で200μV/mとなる送信出力は63mWとなります。実際はこれに若干の余裕を持たせて、たとえば出力は10mW以下、アンテナがダイポールアンテナよりも利得がある場合にはその利得分だけ減じるといったルールを決めることで、電界強度測定によらない利用が可能になります。自作機、改造機など、手作りの機械で、ある程度の到達距離があるライセンスフリーラジオが実現する訳です。
 出力については、入力の50%をもって出力の測定に変えるというルールを作ればテスターで出力を算出できるようになりますし、送信出力段の効率というものにも目が行くようになる、すなわち、より深い無線工学への興味が生まれると思われます。

 アマチュア無線という良い制度があるにもかかわらずライセンスフリーラジオで楽しんでいる層が一定数居ることは確かです。この層をアマチュア無線に取り込むためには、アマチュア無線にしかない特権である、自作・改造が可能という部分を体験させるのが有益ではないか、そのために今使える周波数としてはラジオマイク用の27MHz帯がある、この周波数帯は発射の強さが電界強度で規定されているので、これに現実的な換算による出力の規定を加えることができれば、さらに工作、遊びがしやすくなるのではないか。これが本提案の骨子となります。

 


Web情報:500m地点での電界強度計算に使用した計算ツール
        (サーキットデザイン社のwebページ)


  タイトル:電波伝搬特性(自由空間&2波モデル)計算ツール

URLhttps://www.circuitdesign.jp/technical/radio-wave-propagation-characteristics/#2波モデル

 

2波モデルまでがURLです)