135kHz帯のアンテナについて




 たとえば、100mのタワーがあったとしたら



     ★必要なローディングコイル(ベース)は1.5mHとなります。
      
      これが1.47mH。ほぼ必要なインダクタンスが得られます。
      ただし、鉄塔直給電はいろいろ面倒ですから、ダウンリード給電をお勧めします。

     ★この時の、線路として見た場合の全体インピーダンスはだいたい360Ω
      給電点インピーダンスはずっと低くなるので、 
      たぶん、コイルの損失を調整すれば50Ωでの直給電も可能でしょう。
      私が巻いた、↑上のコイルの場合、巻線抵抗が15Ωありました。

     ★実際はこのタワーについてあれこれいじるよりも、
      ラジアルアースを良くした方が良い結果となるはずです。
      これについては、15年ほど前、プロが集まって渡良瀬遊水地で実験した時、
      アンテナの工夫よりもアースの長さの方が重要であったという話がありました。




 たとえば、20mのタワーがあったとしたら



     ★必要なローディングコイル(ベース)は5.5mHとなります。
      これは空芯コイルではかなり大変な数値です。
      たとえば、直径1mのボビンに、2mmの銅線を密巻で巻く場合、
      理論値ではだいたい220巻となります。
      この場合もダウンリード給電をお勧めします。

     ★この時の、線路として見た場合の全体インピーダンスはだいたい240Ω
      給電点インピーダンスはずっと低くなるので、 
      コイルの損失を調整すれば50Ωでの直給電も可能でしょう。
      また、アンテナ線は斜めに折り返す、傘型とした方がベターです。




 たとえば、10mの立木があったとしたら



     ★立木まで銅線を垂直に伸ばしたとして、19mHのローディングコイルが必要になります。
      これを作るのは大変すぎます。
      別の方法を考えましょう。

     ★T型のアンテナとするべきです。そして、そのTの水平部分の下、地中の浅い処に
      最低限同じ長さのアースを展開します。
      すると、水平部分と大地の間に電気力線(静電界)が生じます。
      高周波を給電しているわけですから、静電界はその信号で変化し、磁界が誘導されます。
      この磁界は誘導界に属しているわけですが、基準電位が存在し、地上高も低いですから
      結果的に、きちんとした地表波(大地伝搬波)の放射界を作り出すことになります。
      現在までの実験では、高さ10m程度のアンテナの場合、これが一番強い放射を出すようだ      
      という結論に至りました。我が家では、-23dBi(±3dB?)の利得となっています。

      この場合、ローディングコイルが必要になります。また、バリコンでこの界の容量を補正
      (見掛け上増やす)事で、ローディングコイルとの直列共振状態を作る事ができます。
      詳しくは、2010年5月発売の別冊CQ 12号をご覧ください      

     ★なお、バランの入っているHFのダイポールは、そのままT型アンテナとして
      使用する事ができます。
      何故なら、HF用バランは、LFではインダクタンスが不足し、単なる接続点としてしか
      動作しなくなるからです。
            


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