無線機型番の由来 外伝偏

 C 2003 JJ1GRK

 昔々、あるところにおじいさんとおばあさんがいました。おじいさんは山へ
JCGサービスに、おばあさんは川縁へアンテナのテストに出かけました。
すると、川の上流から大きな無線機がどんぶらこ、どんぶらこと流れて来ました。

 おじいさんとおばあさんには、もう、養子に出ていて名字も変わっている3人の
息子が居ました。貧乏故、養子に出すときに何も持たせてあげられなかった
おじいさんとおばあさんは、息子たちを呼び寄せてこの無線機を一台ずつ授けることに
しました。3人の息子は無線機をもらって大喜び、さっそく、これを更に改良して
立派な通信機を作り上げ、鬼ヶ島に攻め込みました。

 安くて小型の無線機で武装した息子たちに、性能の劣る大型機を振り回す鬼達が
敵うわけがありません。鬼達は皆、この息子たちによって退治されてしまい、
息子達はそれから幸せにくらしましたとさ。

 息子達の名前も、流れ着いた無線機の名前も、昔のこと故もう残っていません。
でも、残った無線機にはそれぞれのイニシャル、FTとかTSとかICとかが
つけられていましたから、きっとこんな名前だったのでしょう。

 え?なんで無線機で武装して鬼に勝てたのかって?。おじいさんも村の人にこれを
最初に訊かれたようですが、おじいさんは、「始めに流れてきたのはKWM・・・・」と
だけ言って、あとは黙ってしまったそうです。
もしかしたらこの無線機、鬼ヶ島から流れてきたものかもしれません。

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以上、前書きは如何でしたか?
もちろん、こんな前書きだけで満足するあなたではないですね。
では、本当の外伝、スタートスタート。





トリオ(ケンウッド)



TS・・・・・HF機
TR・・・・・V,UHF機

 
正伝 TS・・・・・トリオステーションの略
   TR・・・・・トランスミッター・レシーバーの略

 

外伝 
 
 当時、トリオは実にシンプルな型番を好みました。TXやTは送信機、JRやRは
受信機(JR=受信&ラジオ)、DMはディップメーターといった具合です。
 とすると、これも簡単。TS=トリオのSSB機。TR=トランシーバー でしょう。
TR-1300やTR-9000シリーズではSSB機にTRナンバーが付いていますが、
これはずっと後の話で、TSナンバーの上位機種との差別化を考えていたとも思われます。





八重洲無線(バーテックス)



FT・・・・・リグ全般

正伝 FT・・・・・@フューチャーテクノロジーの略
 
         A FL−20(フィルター方式の20W送信機)から
          派生した、FT(フィルターのトランシーバー)

 

外伝 

 八重洲無線はSSB機からアマチュア無線機に参入しました。SSB機の特徴って
覚えていますか?。忘れた人は初級のアマチュア無線の教科書を開きましょう。
法令集と同じぐらい大切な無線局の備え付け書類ですよ(嘘)。
回路が複雑?、違います。部品点数はAMもSSBもたいして変わりません。
大電力変調器が無い分だけSSBの方が小型化しやすいぐらいで、
TX−88と9R59のセットよりも、初代FT−50の方が部品点数は少ないのです。
 では、AMとSSBの一番の違いは何かと言うと、それは調整の難易度です。
VFOを安定させて、BFOの周波数を追い込んで、最適の動作点にバイアスを
合わせてっと、みんな調整です。
 さて、調整の事をなんて言うかご存じでしょうか?電機会社ではこれをフィッティング、
略してFTと呼んでいます。調整マンも調整ウーマンも皆、”FTさん”なんです。
としたらもうわかりますね。
八重洲無線が参入したときのSSB機の一番の特徴、それはFTなのです。
だから今でも型番はFT−です。







井上電機製作所(アイコム)





IC ・・・・・リグ全般

正伝・・・・・当時商標として使い始めたIcom(イコム)を型番にした


外伝 
 
 もともと、Inoue-Electric-worksという名称を使っていた頃は、FDAM-、FDFM-という
型番を使っていて好評だったのですが、FDAM-3の頃からライバルのTR-1100シリーズに
押され気味となりました。
そして、一番の得意分野である50MHz帯のハンディ機を語呂合わせで
AM-3D(AMの日曜日)とネーミングしたところ、見事にTR-1200に
負けてしまいました。 せっかくFDを取ったのに!
 そこで、相手がTRならこちらはICだ!と言う訳で、IC-71からはICを使っている
ことをPRすることにし、以後ICで始まる型番を使うようになりました。

 
 
 
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ところで、このつまみの品番、ご存じですか? 答えは、FT-25。
秋葉原では、FT-20,FT-25,FT-30が販売されています。
番号は直径のようです。

まさか.......ね。