著者はこの図を一例として挙げて、PLCの
既存通信への妨害が非常に減少して
いること、既存通信との共存が可能で
あることを伝えようとしています。
つまり、今更ですが、PLC研究者は
漏洩防止の重要性に気が付いたように
見えます。
し、しかし、こういった図を見るときにはその条件に気を付けて下さい。総務省の資料に、-54dB=微弱電波の限界という表現がありましたから。測定条件の書かれていないこの図はどうも3m離れた点での電界強度のようです。図に記載された最悪値は6MHz帯の45dBμV/mですが、これは177μV/mにあたります。
これをフルサイズのダイポールアンテナで受けたとしたらS9+24dBになるのです。
OFDMで歯抜けにするので使っていないとアナウンスされているはずの7MHz帯でも30dBμV/m、これはS9+7dBになります。位相変調の側波帯は無限にありますから、歯抜けの効果はたかがしれているわけです。
なんでこんなことになっているかというと、認識そのものが違っている様に思えてなりません。
3m500μV/mという規定は、「ここまでは微弱な電波を出してもかまいません」という規格であって、
「そこまで自由にノイズを出しても良い」という規格では無いのです。
もしも自由に出して良いならVCCIの様な雑音規格は微弱電波の規定と一致するはずですが、
もちろんそんなことはありません。
短波放送・通信だけではありません。おもちゃのラジコン、微弱電波型コードレス電話、
ワイヤレスヘッドフォンからガレージオープナーまで、微弱電波を利用している機器は沢山あります。
パソコンと無線機がだんだん一緒に居られるようになったのはVCCIのおかげですが、これと同じ考え方に
なったときに初めてPLCと無線機(無線アンテナ)の共存の話ができるようになるのではないでしょうか
ところで.....
このデータを信じると研究会当時は微弱電波よりも20db強い電波をばらまいていた事になるのですが.....
もしもあの当時にPLCが実用化されていたとしたら.....
C 2004 JJ1GRK