現代レストア考

無線機のレストアについて……雑感

どういう風にレストア?

どのリグをレストア?


まずは、レストアの2形態について  
無線の世界では、昔から古い無線機の収集を趣味にしている人がいます。
車でも、飛行機でも、古い物を収集している人が居ますが、
無線機の場合は明らかに2種類の収集家が居るようです

一つは、無線機を当時の性能に戻してやるという方向性です。。
新しい部品に交換するのはもちろん、必要があればメカ部分は新規に作り
ケースの塗り直しもします。
クラシックカーの世界なんかと通じる物があると思います。

もう一つは、無線機を当時のままに保存するという考え方です。
部品はできるかぎり交換しません。どうしても動かなくなったら交換しますが、
これもできるだけ当時の品を探し出して、という事になります。

私の趣味は後者です。
このため、恐らく他の方とは違うレストアをしているのではないかと思います。
レストアというよりは延命処置かもしれません。
何故、そうするようになったのか。それが次の話につながります。

そして、どのリグをレストアするか?  
これが大問題なんです。
特別に思い入れがあるなら別ですが………

たとえば、ケンウッドの初期のSSBリグをレストアする事を考えてみましょう。
このシリーズはTS-500、TS-510、TS-511、TS-520と続きます。
TS-520はほとんどトランジスタ化されたリグですから、「初期の」という
目的からは外れます。
では、TS-500?、このリグをレストアしても実用性はほとんどありません。
すると、TS-510?、これは感度が低く、改良型のTS-511の方が実用性があります。
では、TS-511?。511よりは520の方が遙かに使いやすい安定した機械です。

ほら、グルグル廻りになりました。

前の機械を改良して次を作っているのですから、これは当たり前です。
昔に戻れば戻るほど、性能は劣るのです。
古いリグをレストアしてオンエアしていると、
このジレンマに追い打ちを掛けるように、交信相手はたいていこう言ってきます。
「古い無線機ですか。趣味の世界だからそういうのも良いですね」
「でも、周波数が安定してませんね。ハムも乗ってませんか?」


そうなんです。相手は現在使っている機械との比較をしてくるから、
30年前の新型の性能に戻しただけでは許して!?くれないのです

従って、動態保存するか、ある程度実用性のある新しい機械をレストアのベースにするか、
わかってくれる人だけを相手にするか
の選択を迫られます。

結局、レストアそのものを楽しむなら初代機、
レストア後に使う気があるのならある程度後期の機械という事になると思います.
初代機にいくら手を入れても、性能はどうしても劣りますから。
そんなわけで、手元に初代機もありますがこれでは滅多に電波は出しません。
出るとすると、今はこれです→
これも欠点の多い機械ですが、送信波には現れにくいので。

しかし↓の様な欠点を克服して電波を出していることは、誰にも理解してもらえませんHi。
初期漂動が多い、電源経由でTVIが出る、あまりに強い信号は復調できない、ダイヤル目盛りがずれやすい、クラリファイアのゼロがだんだんずれていく、CWフィルタは入らない、Sメーターが異様に重い、ALCメーターの動きが悪く実際の状態と一致しない、VOXのアンチトリップが下手、CWでは逆サイドバンドキャリアを使う必要があるバンドがある、逆ダイヤルがあるのでバンドを移るとダイヤルを端から端まで廻す必要がでる、CWのブレークインからSSBのPTTに移るときに3挙動必要、CWのサイドトーン調整でSSBのマイクゲイン調整がずれる、スプリアスが多いのでπ回路のQが高く同調させずらい



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てんぷらそばやたぬきそばよりもアマチュア無線機の方が味わいがいがあります ^^;