日本はニホン?ニッポン?
よく言われる事ですが、日本の読みは「ニホン」、「ニッポン」どちらなのでしょう?
最近の政府答弁ではどちらもOK
最近の答弁では、麻生内閣時に
このようにどちらも正しいと
していますが、事が漢字の読みですから、素直に信じにくい処です。
1970年7月14日に佐藤内閣は「日本」の読み方を「ニッポン」に統一すると閣議決定しているはずなのですが、
上記の答弁では、「そのような決定は無い」としているようです。
切手はニッポン(NIPPON)だけど....
切手には、NIPPONと書かれていますが、これをもってニッポンだとするのは無理があります。
あれは、NIHON(ニホン)という表記では「H」音を発音しない国では、
ニオンという発音になってしまうのを避けるためというのが現在の定説だからです。
万国郵便条約の公用語はフランス語ですが、
ここにあるように
フランス語ではHを発音しないので、「ニホン」と読んでもらう事ができません。
スペイン語も無理、英語だと「ナイホン」これも困りますね。
NIPPONなら「ニポン」「ナィポン」と読んでくれますから、なんとか通じます。
昔の発音を調べてみると....
じゃあ何故?と思っていたら、意外な資料が見つかりました。
(古典に通じている人では常識だというのも結構ショックでした)
それは、フランス語同様、日本語も昔は[H]音を発音していなかったという事です。
ここなんかには、実に細かい資料が用意されています。
途中を飛ばして解説すると、江戸時代は、ハヒフヘホをファフィフフェフォと発音していたようです。
実はここから、"わたしは"の「は」が何故「ワ」と発音されるか、"わたしへ"の「へ」が何故「エ」と
発音されるかも説明できるのですが、それはまあ飛ばしまして
ここで大事なのは
江戸時代初めにはニホンという発音は存在しないという事です。
今の表記では、ニフォンという発音になります。これがH音の導入とともに、ニホンになりました。
もうひとつ、
ニッポンという発音は平安時代中期に造られたもので、平安時代初期にはニッポンという発音も存在しません
ッという音は
こんな感じで漢語からもたらされているので、平安時代になってから上層を中心に普及した発音ですから。
この促音がある音、無い音は
いろいろな言葉で並列していますが、
身分が違うと発音の流行も違うわけです。
ちなみにこの時代、、ッ(ちいさいツ)の表記方法はありませんでした。
ニフォンという発音が転じてニッフォンそして更にニッポンと転じたという訳です。
(漢音ではジッポンとなり、これはjapanという言葉の元となった)
学校では教えてくれなかった50音
ここで、ちょっと雑知識を(これは私は自分で気がついたのですが、もしかしたら有名かも)
最初に「カキクケコ」と発音して、次に「ガギグゲゴ」と発音してみてください。
口の形が変わりません。
サ行でも、タ行でも変わりません。
でも、ハ行だけは変るのですね。
ハヒフヘホは口を開けますが、バビブベボでは、口を閉じたところから発音します。
じゃあ、バビブベボと同じ形で濁らないようにすると.....
パピプペポです。
ハ行にだけ、半濁音があるのは、半濁音が例外なのではなく、H音(ハヒフヘホ)が
例外という事のようです。
結論
ということで、最初のタイトル!。ニホンとニッポンでは、ニッポンの方が古い音であり、
ニフォンが転じたニホンの方は今の音としては合っているということになるのではないでしょうか?
いろんな人が研究しているのに決定打が無いのですから、どちらが良いかは私にもわかりません
だけど、何度も発音してみるとわかりますが、ニホンよりは古語のニフォン(NIFON)の方が発音しやすいです。
「日本人」「日本の自然」「日本一」というのを、何度も発音してみてください。」
なぜなら、ニもンも口を狭くする言葉だからで、「H」を発音するのは結構大変なのです。
「F」音なら、狭いところからそのまま発音できます。
英語圏ではナイフォンになってしまう危険がありますが、NIPPONもナイポンになる危険が
ある表記ですし、英語ではJAPANですから、きっと大丈夫でしょう(笑)
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