白熱電球をLED電球に変えると違和感がありませんか?



白いLED電球の開発が大変だったという事、御存じでしょうか?

赤や緑は簡単なのですが、3原色の残りの一つがなかなか作れなかったのです。

で、今のLED電球は、青色LED+黄色を発光する蛍光物質で作られています。

白熱電球は広いスペクトルを持っていて、白を造り出すのですが、
白色LEDはそうではないのです。

ここでちょっと考えてしまいました。

強い青色は、体、特に目に悪影響は無いのでしょうか?

医学的には青色光網膜障害(ウィキペディア)というものがあり、
目の構造を考えても、少しは考慮しておいた方が良いように思われます。

また、ここの資料を書かれた方は、分光実験もされているようです。(このブログの目的は、きれいな水槽照明)
結論として、やっぱりLED照明は青が強い。それも狭い範囲に集中している!。

実は、ここにその答えがあります。
きちんとした団体が作った物ですが、少々突っ込みどころもある文章です。
自然昼光よりも弱いのだから安全だ と、言う事の様なのですが、
自然昼光よりもスペクトルが集中している事には触れていません。
また、最後の質問14など....LED電球の注意書きには書いておくべきでしょう。

あ、3原色のLEDを直接利用したLED照明は青以外の色もスペクトルが集中する傾向にあるようです。
高価でもあるし、これはパス!



これは白色LEDのスペクトルの一例。LED照明ハンドブックより


もちろん、LED照明にも良い事はたくさんあります。
紫外線を出さないから物質の劣化がおきにくい、熱を出さないから自動照明が作りやすい、
照明に指向性を出しやすい、点灯が早い、寿命が長い 等など
でも、こんな訳で、我が家では居室についてはLEDではなく蛍光灯を使用するようにしています。
蛍光体の発光ならここまでスペクトルは集中しないので。

トイレやフロや玄関なんかはもちろんLED照明です。
でも、悩ましいのはLED電球の色。
白(昼光色)が好きなのですが、それよりも電球色の方が青が弱い(目に優しい?)んです。

最近流行しているブルーライトメガネの効果って、こういうことかも。


ちなみに、スペクトルの観測では、ちょっと設定を変えるだけで印象を変える事ができます。これは高周波信号の例!
                                          もちろん全部同じ信号です

                                      c 2013JJ1GRK
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追記です。(2015/10)

2015年No.7(通巻69号-7)の映像情報メディア学会誌P.73(通巻P.713)に、詳細なデータがありました。

1)良く指摘されるスペクトラム分布の資料は、最大値を1として正規化したものである
2)正しい比較のためには同一の光束(≒光量)で比較するべきである
3)同一光束で比較すると蛍光ランプは11.7W/u/sr、LEDは19.9W/u/sr
4)青色光による網膜障害のリスク評価方法はJIS C 7550に規定されている
5)100W/u/sr以下であればなんら光生物学的傷害もおこさないもの(免除グループ)とされている
6)よって、LEDの方が7割ほど青色光は強いが、その5倍の光であっても無害である

ということのようです。これを見る限り安全です。

ただ良く規格の解説を読んでみると、このJIS C 7550では、

測定条件の一つである露光限界は,一般のほとんどの人が,
繰り返し露光しても健康に影響がないと考えられる条件に基づいている。
ただし,この条件は,光に敏感な人及び後天的な要因で光放射に敏感になった人に対しては
適用できない。(中略)
この影響の程度は個人差が大きいため,光に敏感な人に対しての露光限界を定めることはできない。

という、記述がみられます。

やはり、目が疲れやすいような人は我慢しないでブルーライト対策メガネ等を使用した方が良いようです。


↑密閉使用が原因で1000時間で死んでしまったLED電球
すごい資源(とお金)の無駄遣いをしてしまいました。