最近見かけた不幸な話

アマチュア無線をやっている皆さんの無線歴が長くなった為か、
昔よりも多種多彩な楽しみ方をされはじめているようですが、
その一方で笑えない悲劇も起こりつつあるようです。

 

ちょっと、ここのHPを見て下さい。
http://www.sagant.co.jp/ham/kuranishi.htm
アンテナメーカーが特定の測定器を名指しして、その使い方を補足説明するなんていう、
前代未聞のコメントが掲載されています。

ここに書かれている様なこと(下記 注)は普通に伝送線路を理解していれば、すぐにわかるべき話ですし、
理解できないのならそれなりの対応法があると思うのですが、測定器がある数字を表示すると、
もう、その数値をそのまま信じてしまって、アンテナメーカーへのクレームとなってしまっているようです。
ここらへんは、「コンピュータが表示するシミュレータデータを信じ切ってしまって
実物との照合をしないタイプの方と通じるところがあるのかもしれません
弘法太子は筆を選ばなかったかもしれませんが、トンカチやカンナや測定器は人を選ぶんですけどねぇ
安物にしろ、高級品にしろ、測定器で正しいデータを得るためには、
その測定器の欠点が理解できる程度の技量が必要なので、
欠点の多い安価な測定器ほどユーザーの技量が問われる
と思いますが、如何でしょう。 

さてさて、このようなミスは海外でもあるようです。
QST誌をお持ちの方は2004年1月号p.66を開いて下さい。さあ、間違い探しです。(笑)
 
 

ところで..............
 

サガ電子のHPから2行だけ転載しますね。
 
>中には、始めから一方的に憤慨されてる方もおられます。
>我々は、その誤解を解くのに多くの労力を払わなければならず、大変閉口しています
 
なにも申しません。ただ、私も最近このような方が増えてきたように思います。

 

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このHPの文章はもう見たくない


BR−200は、|Z|を表示しますから、特に短縮の大きなアンテナ
(ex.アローライン)では共振点=インピーダンス表示の最小点 となるとは限りませんし、
共振時に40Ω〜60Ωであれば、通常は使用に問題が無い範囲でもあります。
それに、給電線だってインピーダンスは幅があります。
(たとえばJIS規格では10D2VはHF帯で47Ω〜51Ω)
 
一例として、14MHz帯で47Ωの同軸3.35mで55±j0Ω(SWR=1.1)のアンテナを計ると
 39Ω(SWR≒1.3)となるわけですが、測定器が表示した39Ωの数値だけを信じて
>「あ、整合が取れていない。インピーダンスが合っていない」と言ってクレームを付けられたら、
アンテナメーカーとしてはたまったものじゃないですね。
また、アンテナはその構造や設置場所によっては複数の共振点を持ったり
(これを利用して多バンドアンテナを作るのですが)、
共振したかのように瞬間的に|Z|が低下する場合があります。
もちろんこの内の後者は本来の意味の共振点とは違うのですが、サガ電子のHPを見る限りでは、
これを説明するのにも苦労しているように見受けられます。
うーん。お疲れさまです



もうひとつ例を挙げますね。
たとえば、SWR=4でインピーダンスが最小(200Ω)になったとします。
何も考えずに取説を単純に信じると、周波数をスイープしてSWRとインピーダンスが共に最小になった点は
共振点ですが、本当に共振点でしょうか?
>|Z|を見ている測定器ですから、判断は難しいのですが
通常こういう場合、そのアンテナの形式から予測される共振インピーダンスから判断されるべきです。
つまり、フォールデットダイポールだったら共振点ですが、普通のダイポールだったら何かが変なわけで
通常あり得ない数字ですから、これは単なる副共振点とみなすべきなのです。
これがわかればアンテナの良否もわかるようになるのですが、逆にわからないと
こんなポイントにも惑わされる様になります。
ちなみに、フォールデットでも普通のDPでも、12.5ΩでSWR=4だとしたら、それは共振点ではなく
何かが間違っていると考えるべきです。あ、これはだれでもわかるか......失礼しました!