z
70cmバンド | TM-D710A | VX-3R | FT-8800R | IC-R9500 |
---|---|---|---|---|
受信感度 μV | 0.15 | 0.16 | 0.18 | 0.23 |
10MHz 3rdIMD | 69 | 62 | 79 | 78 |
20kHz 3rdIMD | 68 | 39 | 59 | 64 |
隣接チャネル抑圧量 | 68 | 39 | 59 | 64 |
IF妨害比 | 145 | 84 | 135* | 87 |
イメージ妨害比 | 87 | 53 | 68 | 87 |
送受信切替時間 mS | 162 | 56 | 130 | --- |
2mバンド | TM-D710A | VX-3R | FT-8800R | IC-R9500 |
---|---|---|---|---|
受信感度 μV | 0.14 | 0.14 | 0.18 | 0.23 |
10MHz 3rdIMD | 77 | 75 | 94 | 75 |
20kHz 3rdIMD | 74 | 40 | 55 | 62 |
隣接チャネル抑圧量 | 75 | 39 | 55 | 62 |
IF妨害比 | 129 | 96 | 135* | 96 |
イメージ妨害比 | 86 | 79 | 135* | 89 |
送受信切替時間 mS | 106 | 56 | 120 | --- |
さて、上の表を見てどう思いましたか?。
米国には暇な人が居るなぁ と思ったあなた、読んでいるあなたも暇人ですヨ。
数字が多くてよくわからない と思ったあなた。それをなんとか読んで欲しいのですが。
え?ダメ?
読みたくない方は戻ってもらうとして他の方には解説しましょう。
まず受信感度。ハンディとモービル機が同じ.
これは小さなアンテナが付く事を想定しているからでしょう。
固定機の方が感度は低めに設計します。
次に10MHz離れた2信号によるIMD。これはそのまま受信RF回路の優劣を表示します。
案外VX-3ががんばっていますね。
ところで、2mバンドでは別の意味も持っています。それは、測定信号がオフバンド信号になるためで、
ハムバンド専用フィルタがRFに入っていると、この数字も良くなります。
IC-R9500は広帯域受信機ですからこの点多少不利ではありますが、良い数字が出ています。
そして20KHz離れた2信号によるIMD。なんと全機種隣接チャンネル妨害比と数値が同じです。
これは、IMDによる混変調信号よりも、測定時の隣接チャンネル信号そのものの方が支配的ということです。
この場合、隣接チャンネル混信については、これ以上混変調特性を良くしてもあまり意味はありません。
IF妨害比、イメージ妨害比もRF入力部のフィルタの優劣が見事に出てしまいます。
FT-8800RはRFトップのフィルタに力が入っているようです。
また、IC-R9500も広帯域受信機としては優秀です。細かくRFフィルタを持っているのでしょう。
さて、本題です。
あ、ついでに、
TM-D710AとFT-8800Rの特性差にも触れておきましょう。
この2機種、実に対照的な設計がなされています。
TM-D710Aは狭めのIFフィルタを採用し、その外側は平らにしてバンド内で均一な特性を取っています。
チャンネル間の混信は意識しなくて済む、無難で癖が無い設計です。
しかし、430MHz帯ではPLL-VCOの純度が追いついていないようです。
同じIFフィルタなのに430MHz帯で隣接チャンネル特性が悪くなっています。(それでも他のリグよりは良い)
一方FT-8800RはRFフィルタは狭い物を採用していますが、IFのフィルタは広めにしています。
局発の特性も効いているのでしょうか?遠くの周波数の混信には強く、
近い周波数の混信には弱い設計です。
いまいちの特性のように思えますが、明瞭度は上がり、近くに同じバンドで運用している局が
居たりした場合にも、周波数を離せば状態が改善される事が期待できます。
(430MHz帯の10MHzスパンはバンド内となるが、それでも隣接チャンネルより20dB良くなっている)
どっちが良いとは言いにくいですが、意外に設計に差がありますね。
無線機なんてどれでも同じなんて事はまだ無い様です。
気がつかないなんて事はあると思いますが..........